てゐた(て居た)

13/05/2015 14:16

→「ていた(て居た)

用例

[発表年順]
 長いこと物蔭にはまだ殘つて居り村端れ一片《ひとつ》青んでゐない晴れたそことなく霞んで雪消《ゆきげ》泥濘《ぬかるみ》處々乾きかかつためいた薄ら温かく吹いゐたそれ明治四十四月一日ことであつた
 學年始業式なので、S尋常高等小學校代用教員、千早健《ちはやたけし》平生より少し早目に出勤した白墨《チヨオク》汚れた木綿紋附擦り切れた長目穿いてクリクリした三分刈帽子冠らず――帽子有つてゐなかつた。――亭乎《すらり》とした眞直にして玄關から上つて行く早出生徒毎朝控所彼方此方から驅けて來て恭しく迎へる中には態々叩頭《おじぎ》する許《ばつか》り其處待つてゐるあつたその殊に多かつた平生三倍四倍……遲刻勝な成績惡いさへ交つゐた。健直ぐ其等心々溢れてゐる進級喜悦想うたそして何がなく曇つた
 その解職願ゐた
石川啄木足跡」1909冒頭
「てゐた(て居た)」用例(1920年代)
「てゐた(て居た)」用例(1940年代)
  九月十七坐つた五つなりしめてをる
  御馳走やき松茸であつたところがある松茸には下女醤油かけるのを忘れゐたすると直ぐ大声御母さん醤油叫んだつゞいて食事しながら
アノ御母さん今日○○さん○○さん初茸とり行つた。○○さん沢山取つてあたし見せびらかして喜こんでいらつしやつたのにふと当ててとり落しなすつたそれで初茸あちらへもこちらへも転がつてしまつたのです
  さも得意に話しては食ひ/\、母さんもつと静かに云はれてしばしばしきりに動かし居た今度少し眠くなつて駄々こね始めた
和辻哲郎初旅」1972)
[発表年未詳・筆者生年順]
  十月廿七急行午後三十西那須《にしなす》着した實は初めてこと而も急行宇都宮より先き黒磯でなければとまらぬやうに旅行案内にはゐたので正直に黒磯まで切符買つたのだが車上教へられて西那須下りたのだ
岩野泡鳴(1873-1920)「鹽原日記冒頭