のだが 連語

14/10/2017 13:34

連語のだ」+接続助詞」。

→「のであるが」・
のですが・「んだが

用例

[発表年順]
 二階手摺湯上り手拭《てぬぐい》懸けて日の目多い見下すと、頭巾被《かむ》って白い疎《まば》らに生やした下駄歯入通る古い天秤棒括りつけてへらかんかんと敲くのだがそのふと思い出した記憶ように鋭いくせにどこか抜けている爺さん筋向《すじむこう》医者傍《わき》来て例の冴え損なったかんと打つと、真白咲いたから小鳥飛び出した歯入気がつかずに青い竹垣なぞえ向《むこう》廻り込んで見えなくなった《ひとはばたき》に手摺まで飛んで来たしばらく柘榴細枝留っていたが、落ちつかぬ見えて二三身ぶり易《か》える拍子に、ふと欄干倚りかかっている自分見上げるや否やぱっと立った煙《けむ》るごとくに動いたと思ったら小鳥もう奇麗な手摺桟《さん》踏まえている
夏目漱石「心」『永日小品』1909、冒頭
 祇園では見られなくなつたもの、「雑魚寝ほかもうひとつ逢状というものある
 これ来た茶屋から名差し芸妓舞妓出すものであつて大体葉書大、「××さまゆゑ直ぐさまお越しねがひ上げ候という文句茶屋印刷してあり、××というところ名前書きそれ相手名前書いてそれぞれ芸妓舞妓屋形届けるそうするとそこ苧姆《おちよぼ》それそれぞれ出先届けるのだがでは出した何分しか来ない分つているので二十書くものあるそれだから一流芸妓舞妓なる襟元ところはみ出す多く逢状持つていてそれ一種見得なるものだつた
吉井勇逢状」『祇園歌集』1915、冒頭
「のだが」用例(1940年代)
 会社勤め生活楽だった
 楽しくない楽だった
 ずっと一人生きてきた集団入ってみるその居心地良さ安楽さ驚くのである一人目覚めて寝るまですべきという判断決定自分しなければならないつまりそれ自由というのだが実力ないには自由重すぎる一日中選択決断その結果自分一人ひき受けねばならない
(野田知佑「--放浪記1999
[発表年未詳・筆者生年順]
岩野泡鳴(1873-1920)「鹽原日記冒頭
 北浜事務所から突然拘引された
 刑事部屋這入るそこには頭髪切った無表情な少女かたわら悄然と老衰した彼女坐っていたその周囲刑事たち取まいて中年過ぎた警部によって私たち取調べられた
 戯れ絵ように儀礼的な刑事部屋あぐらかいた白毛まじった老警部言った
「――チタ子から誘拐罪として告訴状提出しているのだがチタ子とはどんな関係なんだ。」
吉行エイスケ(1906-1940)「大阪万華鏡冒頭